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お昼寝(妙・播磨)

内容充実のため、最後の完成品を投入します。
これもIFスレ投稿作品です。割と加筆訂正しました。

なぜか肉じゃがで、原作の補完系SSです。
またもや一人称。そして制作時間も今までで一番短かったりします。
ちなみにPF持っていませんので、設定が違ってるかも知れません。


 
◆お昼寝



 保健室に爽やかな風が吹き込む昼下がり。
 この部屋の主、姉ヶ崎妙はいつものように机でついついお昼寝中。

 でも、いつものように良い夢は見られなかった。
 見たのは、前の彼氏との別れの場面。


 私は彼が本当に大好きだったのに…
 信じてもらえなかった。

 彼の罵倒の数々が心に刺さる。
「どうして俺だけを見てくれないんだ」
「お前は他の男に媚を売りすぎだ」
「俺じゃなくても、誰でも良かったんだろ」
 そして彼は、あの雨の日に部屋を出て行った。

 酷い言われようだ。
 他の男と言ったって、みんな友達じゃない。
 友達と仲良くして何が悪いっていうの?

 もう、こうなったら本当に誰でも良いや。
 彼のいなくなった部屋を、心を、…体を埋めてくれさえすれば。
 私は、妙に広く感じる部屋に居たたまれなくなり、出かける事にした。


 そして、出会ってしまった。
 公園のブランコでずぶ濡れになっている一人の男と。

 彼に声をかけたのはほんの気まぐれ。
 いや、分かっていたからだ。
 彼が私と同じ傷を抱えていることを。
 彼となら、きっと分かり合えると思ったから。

 ラッキーな事に、若くて結構男前。
 今夜は一人ベッドで寂しく過ごさずにすみそうだ。


 ずぶ濡れの彼――ハリオを部屋に連れてきて、あの男が忘れていったシャツに着替えさせる。
 そして私は入念にシャワーを浴びて体を洗う。
 二人は互いの隙間だらけの心を埋めるために酒盛りを始めた。


 だけど彼の話が、純粋で一途な想いが何故か胸に痛い。
 私は本当にこんなに彼を愛していたのだろうか?
 どうしようもなく不安になる。

 だから、試して、しまった。
「……恋なんていくらでもできるのよ」
 潤んだ瞳で前屈みになり、とびっきりの悩殺ポーズと甘い言葉でハリオに迫る。
「例えば……」
「今もほら目の前に…」

「い…いや自分は!!」
 ハリオはビックリした後、すぐに飛び退いて、私の誘惑を拒絶した。
 ハリオは失恋したと思っていてもなお一途なままだった。

 私は何て事をしたのだろうと激しく後悔した。
 私は一体どんな顔をしているのだろう?
 きっと人に見せたくない顔をしているに違いない。
 気まずくなった雰囲気を誤魔化すために、私は明かりを消して眠ろうとした。
「おやすみ」

 しかし、穢れた心への自責の念は離れることなく付きまとって眠れない。
 だから、私はベッドの中で彼への、そしてハリオへの精一杯の謝罪の念を込めて呟く。
「…ゴメンね」

 私の恋はもう終わってしまった。だけど、ハリオの恋はまだ終わったわけじゃない。
 そうだ。応援しよう。彼の恋を。
 彼が立ち直るまで、私が面倒を見よう。
 そう決意すると、私は先程までが嘘のように眠りに落ちた。


 ここで私の夢は覚めた。


 今思い出しても悲しい夢だったが、不思議と夢見は悪くない。
「ふぁ~~ぁ。それにしても、何でこんな夢を見ちゃったんだろ」
 伸びをしながら一人呟く。そして後ろを振り返ると原因を発見した。
 ベッドには気持ち良さそうに眠っているハリオがいた。

 ハリオの無邪気な寝顔を見てると、自然と顔が綻んでくる。
「君のせいだぞ。余計な事を思い出しちゃったじゃない」
「……でも、ありがとう」
「君のお陰で、今の私がある」

 君がいなければ、きっと私はあのままダメになっていた…。

 そんなハリオは今もまだ一途な恋をしている。
 相手の娘もいい加減気付きなさいよ。
 本当にハリオは大変な娘に惚れちゃったんだね。

「ガンバレ、ハリオ」
 あの時より幾分大人びたハリオの頬に軽くキスをした。
 これは恋の先輩から贈るエールのキス。

 だけど、ハリオがもしも、恋に破れたら……。
 いつでもお姉さんに頼りなさい。
 今度は心から慰めてあげるからね。
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